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都条例を前に萎縮していく出版業界

20110422

私は都条例が可決される前、もう一つのブログで、

都の青少年健全育成条例改正案が招く表現萎縮とはどんなものか

というエントリを書きました。
条例が可決されたら、きっと誰が何を言おうと版元は萎縮してしまうだろう。
というか、自衛手段として、表現を自粛せざるを得ない状況になるだろう、というような内容です。

この条例が可決される際、

作品の芸術性や社会性などを勘案し、慎重に条例を運用する。
『不健全図書類』を指定する審議会での検討時間の確保に努める


との付帯決議が採択されましたが、果たしてこれが有効に働くことがあり得るのか。そもそも可決当時から疑わしかったのですが、疑問が確信に変わるような話が出てきました。

以下山口康隆さんのtwitterより引用します。

以下、ソースは文化通信。出版倫理懇話会で東京都青少年・治安対策本部の櫻井美香青少年課長は新条例による指定対象の可能性のあるコミックスを例示していたとのこと。(元ツイート

都によると『恋人8号』、『彼氏シェアリング』(以上2点は強姦描写のため)、『碧の季節』(強姦と近親相姦描写)、『あきそら』(近親相姦)、『花日和』、『奥サマは小学生』(以上2点は反倫理的な性交場面)の7点は施行後重版すれば指定を検討。(元ツイート

また「18禁マークが付いているコミックスは新たな指定対象にはならない。一切描くなということではない」とのこと。以上ソースは文化通信。(元ツイート

どういう事かというと、『不健全図書類』を指定する審議会での検討時間の確保に努められるはずが、その審議会をすっ飛ばして警察官僚が出版倫理懇話会(日本のアダルト系雑誌を発行する出版社を中心に加盟している業界団体)に出張り、

「この本とこの本は、条例施行後に重版したら不健全図書に指定するかもしれないよ」

と、審議会も開かれていないのに、数点の図書を名指して圧力をかけたわけです。

このほとんど脅迫まがいの例示を受けて、秋田書店は「あきそら」の重版を自粛したそうです。


流れを整理しましょう。
確かに、条例は特定図書の出版や重版を禁止してはいません。
しかし、慎重に運用されるはずの条例は出版業界への不当な圧力として利用され、結果として一つの版元は本の重版を取り止めてしまいました

これを出版社の萎縮と責められるのでしょうか。
たとえば、重版したら指定検討対象(というかほぼ指定は確実)だよと言われた本を強行突破して、印刷・配本したとしましょう。その本が不健全図書に指定されたら、まず陳列販売できない本屋さんから返本されます。Amazonは、諸説ありますが恐らくこれまでの流れだと不健全図書指定を受けた本は扱ってくれません。十分な販売経路が確保できない本は売れ残って倉庫を圧迫します。
売れなければ赤字で、その赤字を指定した都が被ってくれるわけではもちろんありません。
中小企業クラスの版元が、赤字になるとほとんど確定している本を刷るのは、はっきり言って自殺行為です。
重なれば倒産するしかない版元もあるでしょう。
つまり、その版元の社員は路頭に迷うこととなり、作家は働き口をひとつ失います。
表現の自由を守るという理想に殉じて失業する事をよしとできる人はそうそういません。

読者の買い支えも大事だし有効な手段ですが、それでもよほど気をつけていなければ当の新刊が発行されたことにすら気づけないのです。個人でできることには限界があります。

版元に戦えと言うのは簡単ですが、戦って倒産した後の責任なんて一読者には取れません
及び腰の版元をボイコットして追いつめることで、窮鼠猫を噛ませますか。
猫に噛みつく前に力尽きる可能性もないとはいえないというのに。

都条例が可決された今、この一件を皮切りに版元の萎縮は散見されると予想されます。

今、私達にできるのはそんなに多くないでしょう。
できれば版元へのボイコットはしたくない。
それって自分で自分の首を絞めているようなもんじゃないでしょうか。
するなら激励だと思います。

そして、不当な圧力をかけてきた警察官僚にこそ抗議を送るべきです。
また、都条例可決の際に付帯決議を採択した自民・民主大いに動いてもらいたい

あなた達は慎重にこの条例を運用するとして改正案を可決させた。この現状はどう贔屓目に見ても『慎重な運用』からはかけ離れている。条例の施行前からこの為体ぶりでは、施行後はどうなるのか……。ぜひとも、付帯決議を鑑みてこの状況を是正していただきたいと。
声を上げて訴えたい。


そもそも個人的な意見を言わせていただけば、愛と勇気と感動に満ちあふれた、大人が子供達に与えたいような健全キラキラの物語は、保護しなくたって誰も焚書しろとか本屋から撤去しろとか言わないから放っておいても問題ないんですよ。
好悪の分かれる、人によっては眼を背けたいような、良識に照らしたら眉をひそめたくなるような、そんな表現物にこそ保護が必要なのです。
ゾーニングは良いでしょう。
(そんなも並べ方見たこともないけど)子供向けの本の隣に裸のねーちゃんがウットリしてるような表紙が並んでて良いとは私も思いません。でも、そういった表現物が販売現場から駆逐されないよう配慮するところまでが行政の仕事じゃないのかとも思うのです。

コメント

はじめまして

はじめまして、ユーヤです。
このブログを読ませていただきましたが、確かに問題がありすぎますね。
この条例が日本をだめにするかも知れないことを実感しました。
俺もブロガーをしてます。よかったらぜひ見てください。
ドクターブロガー・ユーヤのブログ
http://ameblo.jp/davidsunrise/
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管理人プロフィール
どこにでもいるような本読み。数年前に社会人になったときに、本の値段は見ずに買うことを誓いました。auのISO5が早く欲しいです。

アキミ

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